ドナルド・トランプの半生を追っていくと、
そのライフストーリーは、今や日本では、
日本昔ばなしとしてしか、成立しない物語になっている。
ぼくはトランプ支持者だが、
別にトランプも、最初から今のトランプだったわけではない。
若い時は、トランプもまた例にもれず、
ビジネスで成功したいとう夢がある人だった。
人は若いときは自分勝手で、欲もある。
これは、ぼくやあなたとも変わらないことだ。
だが、トランプの場合、
ここから先が、ちょっとちがう。
トランプのように、ビジネスで成功し、
大富豪になった人が、自らの富を誇るだけで終わるのではなく、
自分の成功に一度満足したあと、
心変わりし、祖国へ恩返しをし始めるのは、
実はアメリカでは珍しくない。
鉱山ビジネスで成功し、大富豪になった、
ハーバート・フーバーも、成功後は、
自身の余生をアメリカ国民のために使った。
フーバーもトランプも、敵対勢力に妨害されたが、
ぼく自身、一定期間、アメリカに滞在していたからこそ、
そういう実感がある。
アメリカ人のなかには、彼らのような人はいる。
彼らは心がトリクルダウンだから、お金もトリクルダウンになるのだ。
ただ、残念なのは、
日本では、これと真逆の現象が起きていることだ。
日本人は、日本人への嫌悪感から、
ビジネスで成功した人でさえも、
国外へとお金を流すようになってしまった。
インドへ5年で5兆円投資する政府の決定には、だれも文句をいわず、
国内の公共事業を増やすことには猛反対する。
このような呆れてしまう現実が日本にはある。
お金の流れは、心の流れと同じであり、
要は、日本人は、日本人が潤うのが嫌なのだ。
結局、心の状態が変容しないかぎり、
ブロックチェーンで新しいドメスティックな経済システムをつくったとしても、
劣化していく日本しか眼前に見えてこない。
ただ、日本人にも、優れた人はいるため、
フェイクニュースに騙されない人が増えたら、
日本は変われる。
ぼくも前は政治に関心なかったし、
フェイクニュースを信じていた。
そこから脱するのに時間はかかったけど、
今回の参政党のように、全国で大々的に
活動してもらえると、フェイクをフェイクと
判断できる人が増えるかもしれない。